サバ節の製造工程
1.生処理
屋久島の近海で獲れた新鮮なゴマサバの頭を切り落とします。
昔の「藁切り」という道具で鯖の頭を落としていきます。「素早く丁寧に」が基本です。
頭の次に内蔵を取り出します。この時に背中に筋を入れ、腹側に浅く包丁を入れていきます。この作業を手早く、正確な包丁使いで続けていくのです。状態が一匹ずつ違う為、それぞれの鯖の状態に合わせた作業が必要とされます。ベテラン女性陣の無駄のない手さばきは見事という他ありません。
2.水洗い
屋久島の地下水(伏流水)を使って綺麗に洗います。この水洗いの工程を弊社では特に重要視しています。籠に15匹前後の鯖を入れ、大きな桶の中で揺すりながら洗います。水洗いした鯖は「セイロ」と呼ばれる容器に綺麗に並べられます。
3.煮熱
セイロに並べた鯖を大きな鉄釜で煮上げます。この時、使う水は地下水(伏流水)を使います。創業以来枯れる事なく湧き出る地下水は、自慢の軟水。屋久島の美味しい水を使って、1時間から1時間20分ほど煮ていきます。煮上げて鯖を身と骨に分けて並べていきます。煮汁は、「さば煎汁(せんじ)」となります。
4.スモーク(燻乾)
作業はすべて屋久島で伐採された広葉樹で燻製しています。この燻す工程を焙乾(ばいかん)と呼びます。薪が良く乾燥していれば燻乾室の温度はあっと言う間に上昇しますが、生木の場合はゆるやかに上昇します。常に薪の乾燥状態を良く見極めながら設定温度に近づけます。温度調整は薪の量と質、空気を送る送風ファン、排気ファン、そして焚口の開閉具合で操作します。焚口の構造こそ単純でありますが、実に奥が深い火と煙の操縦席です。
5.選別
薫製が出来上がり、職人の業によって選別されます。脂質の多い鯖は,「なまり節」「鯖スモーク」へ。脂質の少ない鯖は、「本枯れ節」になります。
6.黴付け
7.天日干し
約1年後、サバ『本枯れ節』の完成となります。
日本全国の「そば」「うどん」「ラーメン」「お醤油」のだしとして重宝されています。